プーリア州は、イタリアのかかとの部分にある州名です。そこにMonopoliという小さな町があって、そこにMarioの故郷があります。Marioは私の2番目の姉が書いた本“プーリアの夏”に出てくるMariangelaのお父さんです。
私が訪れたのは7月でした。Marioは今はMilanoに住んでいるのですが、7月から9月はこのMonopoliの家で過ごします。そして毎朝海に泳ぎに行きます。Marioの岩というのがあって、そこでMarioは着替えたり日光浴をしたりします。他の人は使いません。多分そこに泳ぎに来る中で、Marioは最年長です。
Monopoliの町には、プーリアの町ならどこにでもある広場があります。昼間は誰もいません。
ところが、夜になると、パンプスを履いて、真珠のネックレスをした人や、そこまで行かなくても、ジャケットを着た人、ワンピースの人。そんな人でこの広場があふれます。そして、向こうの端とこっちの端から歩き始め、会う人ごとにCiao!Ciao!とほっぺたに2回キスをして、ちょっと近況を話して通り過ぎ、そしてまた次の人と同じくCiao!Ciao!と。初めて見たときはびっくりしました。端まで行くと折り返してくるのです。イタリアの服飾産業の底辺の広さを思い知らされました。昼間はどんな作業服を着ていても、ここにはきちんとしたしかもおしゃれな格好でないと来れないのです。