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2010年 11月 05日

太宰府というところ

今回の福岡行きの目的の一番目は、太宰府 でした。
太宰府というところ_d0117481_23542232.jpg

写真は太宰府天満宮

ところが、
福岡3日目の朝は雨。

天神から西鉄に乗って二日市で乗り換え、太宰府に着いたころ、雨は益々強く降っていました。

観世音寺に連れて行って、という私のリクエストに答えてもらい、太宰府の駅からバスに乗りました。
旅でこんなに強く降られたのは初めてだ、というほどの雨でした。
太宰府というところ_d0117481_00353.jpg

それは、まるで
来るな!と言われているような、そんな気にもなるほど。

どうしてここに来てみたかったか、、、。
それは、空海です。

遣唐使と一緒に唐に渡った空海は、20年の予定を大幅に繰り上げて、2年で日本に戻って来ます。
そのころ、唐からの来訪者が最初に上陸したのが、今の福岡、太宰府だったのです。
空海も唐から戻るや、この太宰府に逗留します。
さきに訪ねた鴻臚館跡 は、太宰府から16Km離れていましたが、今でいえば迎賓館のようなものだったそうです。
このあたり、太宰府から福岡の那の津あたりにかけてが、平安時代の日本の玄関だったわけです。

空海ですが、
一緒に唐から帰って来た仲間は、ひと月もしないうちに都(京)に戻っていくのですが、
空海は、1年ほどこの地に留まります。何をしていたのか?これは司馬さんも謎のままです。

観世音寺、は天台宗のお寺です。
天台宗といえば最澄の寺。
入唐したころの、最澄に対する空海の羨望、ねたみのようなものは相当であったはず、と司馬さんは書いています。
なら、何故彼は観世音寺に居たのか。太宰府に居たのか。

追記:(観世音寺は、空海が唐から戻って来たころは、奈良六宗の九州における重要な寺であったようです。最澄は天台宗を天皇に認めさせるときに、この奈良六宗の寺の僧たちをも天台宗に改宗させるような大胆なことをやって、彼らと敵対したらしいので、この観世音寺もその後天台宗に改宗してしまったのでしょうか。)

空海が唐から帰って来て、最初に開いたのが、福岡博多にある 東長(密)寺。
彼が持ち帰った密教・真言宗を最初に広めるために作った寺です。
空海が生まれたと言われる善通寺とこの東長寺は、趣が似ています。
賑やかで、豪華で、今でもたくさんのお布施が集まっているような。


それに引きかえ、その観世音寺のひそやかなこと。
太宰府というところ_d0117481_0252884.jpg


これは、空海が唐から戻って以降、日本に伝わった密教としての仏教が、どちらの手によって展開されていったか、が歴然としているように思えます。

7月に香川県丸亀市を訪れなければ、その少し前に読み始めた「空海の風景」 に入り込むことはなかったでしょう。
丸亀に居る、空海研究の師匠にもっと教えを請わなければ、謎は深まるばかりです。

by yumiyane | 2010-11-05 00:43 | 旅(travel) | Trackback(1) | Comments(16)
Tracked from 平太郎独白録 親愛なるア.. at 2011-01-10 10:22
タイトル : 空海が空海である所以と玄界灘の猛威
親愛なるアッティクスへ 私は以前、博多港から韓国の釜山まで玄界灘を船で行ったことがあります。 (ちなみに、博多港は日本一の国際旅客港だそうです。まあ、東京や大阪に船で出入りする人も少ないでしょうが。) と言っても、ジェットフォイルでのたかだか3時間弱の旅なのですが、それでも波が高い日はまるでジェットコースターで、お世辞にも船酔いに強いとはいえない身としてはひたすら、身を横たえて時間が過ぎるのを待つという状況でした。 が、私が感慨を得たのは玄界灘のこの荒波についてではなく、その窓外の風景...... more
Commented by kiyotayoki at 2010-11-05 09:26
なるほど、ただの観光ではなく、そのお寺をひらいた人や歴史を知っての旅だと、味わい方がまるで違ってくるものなのですね。
空海や最澄、人並みの知識しか持っていないんですが、yumiyaneさんの文章を読んで、僕ももっと知りたくなってしまいました。
Commented by chika-papermoon at 2010-11-05 09:59
先日TVで桜新町が紹介されていて(TBSの安住アナが出ている番組です)
yumiyaneさんがお住まいのことろだ~と思いながら観ていました。
素敵な町ですね。私が住む町は、散歩しても店はなく家ばかりです(笑)

太宰府の雨、大変でしたね。
お帰りになる日に雨が降っていたので、遣らずの雨だな~と思っていました。
yumiyaneさん達を東京に帰したくなくて降ったのだと思いますよ。
是非また来てくださいね、福岡に^^
Commented by shinn-lily at 2010-11-05 16:01
>来るな!と言われているような、そんな気にもなるほど。

そうそう、そんな風に言われている気持ちが私もしました。
なんだったのでしょう。
お怒りに触れるようなことはしませんでしたよね。
まことに、品行方正だったのに(笑)
Commented by yumiyane at 2010-11-05 19:12
:kiyotayokiさん、そうなんです、今回の福岡行きは、もちろんブログでお知り合いになった方を訪ねる旅でもありましたが、四国の丸亀に行った折り、次は大宰府か、ということになったのです。
大宰府を語るときに欠かせない、菅原道真さんのお話もあるのですが、それほどの研究者でもないし、信条の、ゆるーいブログにつき、あまりつきつめて語らないようにしようと思っているので、考え中です。
空海については、とても興味深い話があるのですが、もう少し煮詰めてから書きたいと思っております。
なので、今回の大宰府観世音寺の雨は、勉強不足だぞ!と言われているような気がしたものです。
Commented by yumiyane at 2010-11-05 19:17
:chika-papermoonさん、
福岡、大宰府、とても文化のあるいいところでした。
若い人の活躍できる素地もあるし、そちらにお住まいだなんて羨ましいですよ。
桜新町なんて、小さな町で、ここだけで暮らすことはたぶん出来ないでしょう。でも、高い建物が少ないので、最初は、芝居の書き割りみたいな町だなと思いました。
私が福岡に行った日のこと覚えていてくださいましたか。有難うございます。
遣らずの雨、嬉しいことおっしゃっていただきました。そうですね、きっとまた行きますよ、そのときはchikaさんにもお会いできるかな。
Commented by mai-obachan at 2010-11-05 19:19
yumiyaneさんの好奇心と探究心と行動力!
北九州はツアーで回りましたが、連れて行かれるだけでガイドの説明も上の空だった自分が恥ずかしい!

あいにくの天気だったのですね。
晴れの日にまた来るような気がしますよ。
Commented by yumiyane at 2010-11-06 01:02
:shinn-lilyさん、
やっぱり来るな!って言われてましたよね。勉強不足だって言われた気がしました。
だって、あの階段から先には行けそうもなかったものね。他に人もいなかったし。あの静けさはなんだったのでしょう。
あのお寺は、結構大事なお寺のはずなんだけど。
Commented by yumiyane at 2010-11-06 01:05
:mai-obachanさん、こんにちは。
ひとつのことに興味が湧いて、調べて行くと、次のことに繋がって、そこに行くとまた次のことが分かって、それでそれで、とぐるぐるしてます。
私も中学のとき長崎から阿蘇を回ったことがあるのですが、断片的に覚えているだけ。今回の福岡行きも、ブログという記録が残ればいつまでも覚えていられるでしょうね。
そうなの、すごい雨で拒まれてこの先に行けなかったの。
出直してこい!と言われているようだったから、
そうね、天気味方にしてから 出直しますよ!
Commented by kanafr at 2010-11-06 07:55
丸亀繋がりのご旅行だったんですね。
大宰府と言えば菅原道真しか浮かばない私ですが、空海なんですね。
こういうご旅行だけでなく、お料理、編み物 etc..、本当にyumiyaneさんの探究心と行動力は凄いですね。
いつも刺激をいただいて、読んだ後は私も頑張らなくちゃ!..なんですけどねえ。トホホ
Commented by irihinidefune at 2010-11-06 10:36
秘められたものの重さを感じる空間じゃないでしょうか?
雨の日に行こうと晴れの日に行こうと
観世音寺というところは、静まり返った
時間が止まったような場所です。
それにしても歴史に疎い私なので
こうしてyumiyaneさんのブログで
この地の重みをさらに知るのでした。なんと浅い(笑)
yumiyaneさんが、ここにすごく行きたかったのに
さっさとリターンさせてしまったこと…
ナビとしてはもっとゆっくりしてもらえばよかったと反省(涙)
またいらしてくださいね。
Commented by bh2005k at 2010-11-06 23:27
こんばんは♪

福岡への旅、gekoさんのご実家もいらっしゃって充実でしたね。
・・・ と、思ったら 一番目の目的地『大宰府』が 雨だったのですね。
わぁ~、残念! って、思ったのですが ・・・ イヤ、待てよ~、、、これはきっと ”またご訪問くださ~い♪” の、暗示と思いました。

福岡に行ったことのない私は お三方の所を行ったり来たりしながら、楽しませていただきました。
素敵な旅でした、ありがとうございます!
Commented by yumiyane at 2010-11-07 00:55
:kanafrさん、私も太宰府は天満宮しかありませんでした。
それが、丸亀の満濃池に行ってから、すごく空海の風景が具体的になって、太宰府に繋がるわけです。
地域では研究なさっている方がたくさんいらっしゃるでしょうから、そういう方たちのお話も聞ければもっと面白いことになると思います。次回は土地の方の話をもっと聞くことにしましょう。
フランスでもきっと面白い話、たっくさんあることでしょうね。三銃士の話を読むと、あのルーブル宮がすごく面白いところに見えてきますよね。
Commented by yumiyane at 2010-11-07 01:07
:irihinidefuneさん、観世音寺については、ちょっと調べたら、今は天台宗ですが、当時(空海が身を寄せたころ)は奈良六宗の寺であったようです。司馬さんによれば、最澄と奈良六宗は敵対していたようなので、いつごろどういう事情で天台宗になったのか、太宰府のどこかで分かりませんでしょうか。
また、是非行かねばなりませんね。
Commented by yumiyane at 2010-11-07 01:17
:bh2005kさん、こんにちは。お久しぶりです。
はい、3人がそれぞれに書いていて、そのことをご存知の方は、それぞれの福岡を楽しんでもらっていると思われます。
gekoさんの故郷にも行ってきました。のんびりとしているけど豊かなところでしたよ。また行きたいです。道の駅もとっても繁盛していて、実が成るところです。
そうなんですね、また出直してこい、って言われたような気がしてるもので、もうちょっと腰を据えて行ってこようと思います。
Commented by cocomerita at 2010-11-08 01:57
Ciao yumiyaneさん
おひさしぶりーー
うわーーいいな、いいな
空海私も好きです
ていうか、この名前がね
空と海ってのが何とも私の興味を引き付けるのよ
行ってみたいわ―
私が成田に着いたら、雨よ
来るなって言われてんのかしら?私も わははは
Commented by yumiyane at 2010-11-08 18:04
:cocomeritaさん、
あははは、来るなって言われましたか。
そんなことないですよ、みんな待っていましたからね。
忙しいですか、今回は。
空海っていいですよね、くうかい?って、ダジャレも言えるし。
最澄って、もっとも澄みきった、なんてゴーマンかも。
もっとも命名は師匠がするんでしょうからね。
空海は、唐から帰って来て活躍するんですが、紀伊半島にも謎がたくさんあるので、まだまだ謎解きの旅はつづく、です。


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