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2017年 02月 28日

映画を観ました~アカデミー賞授賞式

タイトルの中に“編む”という言葉があって、編み物の映画?
と丁度封切りの日に暇だったので行って観ました。
その映画は編み物の話ではなくて、性同一障害の話でした。タイトルは「彼らが本気で編むときは」。
ほんとはマーチン・スコセッシの「沈黙」を観たかったのだけれど、出雲では月から金に一回しかやってなくて、次の機会にすることにしました。

遠藤周作氏の「沈黙」が映画化されたということを知ってから、何度か私の記憶が、ある時点に引き戻されて行きます。それは、新入社員のころ、だから今から44年も前のことです。

企画部というところに配置された私は、殆ど最初の仕事となるこのレコード制作のADになりました。
そのレコードのタイトルも、出演者の一部しか思い出せないところもありますが、忘れられない事件も、、、。
そのレコードのA面は、3人の出演者が銀座のクラブで対談する、というもの。その3人の一人が遠藤周作さんでした。そしてB面は、岸田今日子さん朗読の「沈黙」だったのです。
あのレコードは今もどなたかのコレクションの中に一枚でも残っているのでしょうか?

ADであった私は、銀座のクラブで行われた対談の録音テープをダビングし、その日のうちに遠藤氏の自宅に届けることになっていました。お昼前に作業を終えて、赤坂の津つ井でランチ会食中の当時の上司にこれから玉川学園に向かいますと報告に行きました。すると上司は“yumiyaneさん、もうお昼食べた?まだだったらここで食べて行くといいよ”と。時間の約束を知らない私は、そうですか!?とランチ定食を頂いて赤坂を離れました。今みたいに地下鉄千代田線がそのまま小田急線に乗り入れていなくて、地下鉄で代々木八幡まで行き、地上に出て小田急代々木八幡駅で乗り換えるのです。各駅停車しか到着しない駅、乗り換えのタイミングも悪くて結局玉川学園駅まで各駅停車で行ったような。数えたら代々木八幡から22個めの駅。今でも1時間近くかかります。
やっとの思いで着いた玉川学園駅。そこから電話して行き方を聞きました。そして歩き出した途端、少し先の道を一台の黒塗りの車が通り過ぎました。後部座席に座っていたのは遠藤さん!?
半信半疑の私は、ご自宅に辿り着き、お手伝いさんから今日は自宅には戻られないことを告げられました。
胸騒ぎの私は直ちに上司に報告を公衆電話で。今みたいに携帯はないですから。
いやーーーな気持ちでまたとぼとぼ赤坂まで戻った私。会社に戻ると出版社の担当者を巻き込んで大きな騒ぎになっていました。そのレコードは確か中央○論がらみ。出版社にはそれぞれ作家の先生に担当者が付いていて、担当者は先生に大変な気の使いようなのです。今考えると「沈黙」は最初に出版されたのは新潮社。何故そこに中央○論の担当者がいらしたのかは今となっては不明ですが、その担当者に社長が誤ってくれたと知らされました。
でも実はそんなに大変なことになった訳ではありませんでした。赤坂のホテルにお泊まりということが分かり、出版社の担当者を通じて遠藤氏に無事テープは届けられて、それをお聞きになった先生は次の日にそれについてのコメントを書いてくださり無事締切に間に合ったのです。私は社長に呼ばれました。“yumiyaneは悪くないよ、悪いのは上司の○本だ、だけどこれからは約束の時間は守らなければならない、分かったね”。
そのレコードの「沈黙」の岸田さんの朗読(こっちがA面だった?)は素晴らしかった!!!よどみなく、情感を抑えて、隠れキリシタンの信者と布教に来た神父の苦悩を、まるでそこに海があるように想像力を刺激する見事な語りでした。
公開されている「沈黙・サイレンス」を観る前に、もう一度遠藤周作氏の「沈黙」を読んでみたくなりました。



前代未聞・・・てこのことだなぁ って昨日のこと。
アカデミー賞の授賞式、去年の主演男優賞をとったディカプリオが「ララランド」のエマ・ストーンに主演女優賞のオスカーを渡し、彼女の落ち着いた長いスピーチのあと、いよいよウォーレン・ベイティとフェイ・ダナウェイが最後の作品賞受賞の映画の題名を告げるはずでした。
彼はいっとき逡巡して、他のカードが入ってないか封筒の中を見たけどほかには無かった。それでも腑に落ちない様子で隣に居るフェイに見せました。彼女は、何やってるの?ベイティ?って感じでカードを見るなり
ララランド~
って言ってしまったのですね。
このあとの騒動は、いろいろニュースでも取り上げられたようだから例年になく広く知れ渡ったようです。

この間違いはどうして起きたのか? エンベロープは毎回プレゼンターが封を開けます。作品賞のときもそうでした。それが主演女優賞の封筒であったなら何故封は開いてなかったのか?・・・それが謎でした。
式が終わったあとの受賞者のプレス取材時、主演女優賞のエマ・ストーンは、主演女優賞のエンベロープは私の手の中にあった!と証言していました。
では、封筒は二つあったのか?!

封筒はいつも二つ用意されているんだそうです。
イギリスのコンサルタント会社がこのアカデミー会員からの投票を集計し、授賞式用のエンベロープを用意し、鍵のついたアタッシェケースに入れて会場に持ち込むことになっている・・・これは聞いたことがありました。
二つ用意された封筒・・・これまでよく間違いが起きなかったものです、逆に。

たまたまオンタイムでWOWOWを観ていたので、この一部始終を見てしまいました。

アカデミー賞とかゴールデングローブ賞とかエミー賞とか、製作者を褒め称えるために作られた賞だけれど、この裏には計り知れないビジネスが潜んでいるのですよね。
私たちは、チケットを買って暗い映画館の椅子に腰かけて静かにスクリーンを見つめ、しばし現実を忘れて映画の世界に浸るわけです。
30億以上かけて作られる映画でも、1億円の製作費の映画でも心に残るかどうかでしょう。最近観た映画で一番残ったのが、フレンチの「エール!」、原題はLa Famille Bélier(ベリエ家の家族)。多分低予算。


映画っていいね。

by yumiyane | 2017-02-28 21:55 | 映画(cinema) | Trackback | Comments(4)