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2007年 12月 29日

I've heard the mermaids singing  CANADA 1987

“私は人魚の歌を聞いたことがある” というタイトルに惹かれて観た映画です。
1987年ということですが、10数年前、深夜の映画枠で放映されたのをビデオに録画して何回も観ました。
シーラ・マッカーシー演ずる主人公ポーリーは、10年前両親を無くし31歳まで結婚もせず定職にもついていないハイ・ミス。派遣会社に登録し、ある日ギャラリーでテンプスタッフとして雇われます。アン・バンクロフト似の画廊の女主人に気に入られて長期雇用となり、スマートな主人に憧れ、幸せに仕事を始めました。
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この女主人ガブリエルには女性の恋人がいました。ある日ガブリエルの誕生日パーティーに招かれ彼女の家に行ったポーリーは、彼女が画家になりたかった話を聞き、彼女の絵を見ることになりますが、その素晴らしさに圧倒され、酔って眠ってしまった隙にその絵を持ち去ってしまいます。
翌々日ガブリエルが画廊に現れると、すでにその絵は出版社や新聞社に知れ渡ることになり、彼女の画家としての名声に火がつくことになります。ところが、その絵はガブリエルではなく、その恋人の作品だったことから小さな悲劇が起きるのです。

映画はビデオカメラに語りかけるポーリーの身の上話から始まります。どこにも人魚は出てきません。出てくるのは主人公のポーリー、女主人のガブリエル、その恋人の画家メアリー、そして画廊にやってくる二人の評論家だけです。

ポーリーは趣味に写真を撮っています。現像して壁に貼ってそれを眺めながら一人で食事をして、アリアのレコードを聴いて眠る。そんな孤独だった彼女が、ある日自分の撮った写真を画廊に送ります。ガブリエルはその郵便を開け、よくある投稿のひとつとして“薄っぺらな・才能のかけらもない”と片付けてしまいます。
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深く傷ついたポーリーは、カメラも写真も捨ててしまいます。ポーリーは変わりました。

家を引っ越してどこかで新しい暮らしを始めよう!
彼女は画廊を辞める決心をしました。そんなときブザーが鳴って、、、、。


女主人ガブリエルは、親が買ってくれた画廊を、若い才能を発掘すべく経営しています。彼女がポーリーに言います「あなたはいいわね、自分に何も求めてないもの、求めても得られないことほど空しいことはないのよ」と。
才能ある画家メアリーが、画廊で捨てられた写真を見て言います「才能があるかないかは問題ではないわ、好きかどうかが大切なのよ」。

3人の女性のそれぞれが、きっと“人魚の歌”を歌うのです。

by yumiyane | 2007-12-29 02:19 | 映画(cinema) | Trackback | Comments(2)
Commented by shinn-lily at 2007-12-29 15:19
なんども見たい映画というのはなかなかであいませんよね。
その意味でyumiyaneさんの心を打ったのは具体的にどういうことなのでしょう。好きかどうか・・・という生き方かしら?
Commented by yumiyane at 2007-12-29 18:19
カッコよさ、でしょうか。結局一番かっこいいのはポーリーなんだと。すごく肩の力が抜けてる人なんですこの人が。
この映画を最初に観た頃、子育てしながら一所懸命働いていて、あまり自分をかっこいいと思えない頃でしたから、スマートな画廊のオーナーより、ポーリーの方がいいじゃん!て 
自分に素直に生きようとする人への応援歌です。


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