2016年 12月 15日
ブログのアップがままならず、ひと月に最低でも三回くらいは更新したい!と思っていますが、 時すでに12月半ばですよ~ いい旅をしたな~! と思う旅があります。 そんなひとつにフランスはノルマンディへの旅。 ノルマンディ上陸作戦の跡地を訪ねたときです。 私は戦争映画は好きではありませんが、先日WOWOWで「プライベイト ライアン」を観ました。 トム・ハンクスとマット・デイモン出演、またスピルバーグ監督がアカデミー監督賞を取った映画、でなかったら観なかったでしょう。 ・・・・・・上にリンクさせた記事のコメント欄にmai-obachanがこの映画について触れています・・・・・ 映画の最初の30分は目を覆います。本当の戦闘はこんなだったのか!! 連合軍の上陸をはばむドイツ軍の猛攻撃で、上陸開始の合図とともに夥しい若者の命が海のもくずと消えてゆき、海岸に寄せる波は赤く染まります。 若かったころ、「世紀の記録」というNHKのドキュメンタリーがありました。そこで初めて“ノルマンディ上陸作戦”という史実を知ったのです。連合軍とヒトラー率いるドイツ軍との攻防は、フランスにおいて山場を迎えます。レジスタンスと連合軍が手を組んでフランスからドイツ軍を追い出すのです。 ノルマンディを旅したときに、ル・アーブルという町に行きました。 その辺りの海岸沿いの町に比べると、近代的な街並みが多いその町は、実は第二次大戦で壊滅的な被害を受けたところ。再建された町並みは、2005年にユネスコの世界文化遺産となりました。 ノルマンディ上陸作戦のあと、ドイツ軍が占領していたその港を奪還するためのアストニア作戦によって破壊された町を人間の愚かさの象徴として登録されたのでしょう。 愚かさの象徴は、アロマンシェの海岸にもありました。連合軍の兵士を乗せた艦隊の残骸が当時そのままに置かれているのです。波間に朽ち果てるまでそのままに。 「世紀の記録」で観た当時の印象は、連合軍が優勢でドイツ軍をやっつけたんだ!というものでした。 実際ノルマンディに行って跡地を見たときには、そうだったかもしれないけれど何故に多くの若者は死ななければならなかったのか!? ところが、映画のシーンはあまりにも残酷なものでした。実際の死者数を数えたら、あのようなシーンになるのでしょうか。船のタラップが降りた途端ドイツ軍の弾にやられ、ノルマンディの海岸に足を踏み入れる前に多くの命が亡くなりました。 連合軍だけではなかったでしょう、ドイツ軍も同じこと。命がとても軽いシーンでした。映画だけなら良かったのに。 映画の邦題はプライベイト・ライアン。原題はSaving Private Ryan (ライアン兵の救出)。 実話に基づいていて、四人兄弟のうち、三人の兄の戦死の報を受け取った母親を気遣って、アメリカ軍の参謀総長が一番下の弟を生還させよ!という命令を下し、その任務を遂行する8人の兵士の死闘の物語です。 映画の冒頭と最後のシーンは、生還したライアンが50年くらい経って家族を連れてノルマンディのオマハビーチの墓地を訪れ、夥しい十字架の中から自分の救出作戦のリーダーだったジョン・ミラー大尉の墓を見つけるところ。家族は増え、孫もたくさん居ます。生きていれば命は繋がる・・・ 私が2008年の11月にノルマンディへ行こう!と決めたのは、カーンから南へ25kmくらいのところにある「林檎の礼拝堂」に行く計画を立てていて、折角なら少し足を延ばしてみようとしたものです。 普通の観光では行かないかもしれないその場所に行って見たいと思ったのは、中学生のころに見た「世紀の記録」や、「史上最大の作戦」の現場を見ることだけではなく、2008年の記事にも書いたように、戦争の悲惨さを体験した人から聞く機会が段々無くなっていく・・・という不安から、自分の目で確かめてみたいという思いでした。 人間はいろんなことを学習もするけれど、忘れて行くことも得意です。いやなことは忘れてもいいけれど、一番大切なのは命。このことだけは絶対に忘れてはいけないのです。 どんな命にも誕生の歓びがあったはず。そのことは忘れてはいけないのですね。 11日の日曜日に、出雲市佐田町の図書館館長さんからお知らせをいただいて、北海道の旭山動物園の前園長さんが講演なさるのを聞きに行きました。 テーマは、生きる意味って何だろう?・・・・動物から教えてもらった命の大切さ・・・・ 小菅前園長は、動物の生態を面白く説明なさりながら命を繋ぐことの意味を話してくださいました。 身近な人の命は失うと悲しい、自分との距離でその悲しみの深さが変わると小菅先生はおっしゃいました。 そして、自分という個体が繋がってくるまでに、地球上のいろんな命を犠牲にしてきている、それだけ繋がってきた命はどれだけ大切なものか。 丁度この映画を観た後だったので、動物たちは命を繋ぐのに必死だけれど、人間はどうだろう。武器を持って異人種異教徒と戦って、自然淘汰しようとでも言うのでしょうか。
by yumiyane
| 2016-12-15 08:42
| 映画(cinema)
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Comments(2)
私の父も戦前を含め9年間を兵隊として過ごしたそうです。激戦地へ派兵され、よく生きて帰れたものと思います。年を取ってから生まれた私たち子供には多くを語りませんでした。思い出したくなかったのか、子供を怖がらせたくなかったのか…
でも父が生還したおかげで、今私は孫を抱いています。この生命の糸が永く繋がっていくために戦争の記憶も語り継いで行くべきですね。
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yumiyane at 2016-12-16 14:30
:mooamiさん、こんにちは。
お父さん、そうでしたか。激戦地へ、よくお元気で戻られましたね。 >父が生還したおかげで、今私は孫を抱いています ほんとにそういうことですよね。お父さんは多くを語られなかったのはいろんな思いがあったのでしょう。語れない経験をしなければならなかった当時の方々には感謝の念しかありません。私たちはそれを推して、平和な世の中を維持していかなければね。時々は真面目にこんなことを考えていかないとね。 |
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